音のない世界 聴覚障害を持つ方との交流を通じて
こんにちは! 高校生ブログの海宇みうです! やほ!
今回のテーマは、前回に引き続きコミュニケーションについてです。
コミュニケーション。それは幸せに生きるための手段だと思っています。
世界中には本当にたくさんの人がいて、たくさんの考え方や価値観があります。
それに無理に共感しろとは言いません。すべての意見を受け入れて行ってしまえば、自分がどうしたいのかが見えなくなってしまいます。
自分の意見をしっかり持ち、相手の意見をまず「受け止める」ことのできる度量が必要です。
「受け入れる」はその先の段階にあるのです。これはみなさんの意思に委ねられています。
コミュニケーションを取る具体的な方法は、やはり会話。これがコミュニケーションの中で大きな割合を占めます。
会話をするには、お互いが理解できる共通の言語と共通の手段が必要となります。
しかし、「みんな」が使っているその手段を使いたくても使えない、という人もいることをご存知ですか?
みなさんが普段会話をするところをイメージしてみてください。
使っているツールは? そう、「声」と「耳」です。しかし、それができない人、つまり、耳が聞こえない人、声を出すことができない人もいるのです。
そういった人たちは、どのような世界を見ているのでしょうか。今回は、聴覚障害を持つ方にフォーカスし、お話ししていきたいと思います。
今回、聴覚障害を持つ方と交流できる機会があり、その体験を通じて体感したことを書いていきたいと思います。
新型コロナウイルスの影響で、今回はリモートでの開催となりました。
参加者は、私を含んだ6人。そして、アテンド(聴覚障害を持つ方)、コンシェルジュ(通訳)の計8人でのワークショップとなりました。
まずはそれぞれ、事前に覚えてきた「指文字」というものを使って自分の名前を紹介しました。
指文字というのは、日本語の五十音一つ一つに当てられたサインです。
そのあとは、「サイレンスしりとり」 ジェスチャーや身振り手振りを使って相手に単語を伝え、相手はそれが何かわかったら答えを紙に書いてカメラに見せる、というものです。
これをしりとりで続けていきます。
ちなみに、始まってからここまで音声はありません。
基本はジェスチャー、表情、ボディランゲージもしくは筆談で進行してきました。
単語をどうにか身振りなどで伝え、回答者が正解すると、嬉しさやみんなとの一体感が生まれます。
だんだんと盛り上がっていき、みんなにも笑顔が増えてきました。
次に、参加者全員の「サインネーム」というものを考えました。
サインネームとは、相手の名前を呼ぶときのサインです。各自で自由に考えることができます。「あだ名」のようなものですね。
その人の特徴だったり、好きなものと、名前の指の字の一部を組み合わせたりして作ります。ちなみに、自分は名前の最後の指文字を前髪に沿ってくるんとまわします。いい感じのサインネームを作ることができました!
その後は、みんなで雑談をしたり、アテンドの方に質問をしたりしました。
筆談やチャットに書き込んだり、コンシェルジュの方に通訳してもらいながら、たくさんお話を知ることができました。
そのお話の中でいくつか印象に残ったうちの一つが、アテンドの方が耳が聞こえなくなったとき(もともとは聞こえていた)、先生に言われた言葉。
「あなたの耳が聞こえなくなっても、あなた自身の価値は変わらない。」
この言葉に、当時アテンドの方はすごく救われたのだそう。なんて素敵な先生だったのだろうと感動しました。
そして、アテンドさんへの「コミュニケーションで大切にしていることは?」という質問。
皆さんは、コミュニケーションで大切にしていることはなんでしょう?
やっぱり表情? 言葉遣い?
アテンドさんは、コミュニケーションで一番大切なのは「気持ち」だと答えました。
笑顔よりも何よりも、大切なのは相手のことを知りたいと思う「気持ち」がまずないと、良いコミュニケーションとは言えない。ハッとさせられました。
逆に「気持ち」さえあれば、たとえ聴覚に障害があろうと、言葉の通じない外国人だろうと、どんな相手でも「コミュニケーション」はとれるのです。
他にも、参加者の皆さんともたくさん交流をして、たくさんお話をすることができました。
その中で、アテンドさんやコンシェルジュさんは、私を含む参加者の名前をよく呼んでくれる(サインネームを使って)のです。
名前を呼んでくれるというのは、誰しも、とても嬉しく感じるものなのです。耳が聞こえなくなり、自分の名前を呼ぶ声が聞こえないというのは寂しく感じるのかもしれないと思いました。
だからこそ、相手が名前を呼んでくれる(サインネームを使って)ことは、すごく重要なことなのだなと感じました。
人間は、どんなに頑張っても相手の心の中を完璧に読むことはできません。そのために、すれ違ってしまったり、衝突することもあります。
ですが、やはりどうしても他者との関わりというのは完全に切り離すことはできないのです。
人類は今まで、様々な方法を工夫して、コミュニケーションを取る手段を編み出してきました。
それほどまでに、人類はたくさんの人とのコミュニケーションを必要としてきたのです。
誰かとコミュニケーションを取り続けることで、お互いに協力し、励まし合い、強く生きてこられるのだと思います。
たとえどんな障害があろうと、それを諦める必要などどこにもないのです。